【見てみよう】2023中小企業白書 テーマ①「成長に向けた価値創出」

はじめに

こんにちは、ずっきーです。

前回中小企業白書におけるトレンドについて、簡単に整理させていただきましたが、今回は、その中でも、中小企業白書概要版にまとめられているテーマ別の分析について理解を深めてまいります。概要版の記載内容と私の考えを分けて書いていきます。

 

本記事読了後にわかること

◯中小企業の新規事業は「戦略」と「経営者」が要

◯まずやってみる外部環境分析「PEST+DE分析」について

 

テーマ①成長に向けた価値創出の実現について

まず背景としては、人口減少、世界市場の再編、安全保障など、国内においても市場がシュリンクしていく中で、「世界」を市場と捉えた戦略が必要になってきます。

新しい戦略を立て、実行に移していく際、中小企業の特徴の一つである「所有と経営の一致等」は、小回りの利いた経営やイノベーションに向けた取組が意思決定フローにおいては効果を発揮します。その中心である「経営者」に着目して本テーマの分析がされています。

 

よくも悪くも経営者次第という中、ベビーブーム世代がまだ大半をしめている日本の中小企業の経営者にフォーカスが当てられていますね。所有と経営の一致とは、大企業の場合は株主=企業の所有者、代表取締役=企業の経営者と、所有と経営が分かれています。一方、中小企業の多くは、株の所有を経営者自身が行っているため、「所有と経営の一致」(=同じ人だよ!)という状況が一つの特徴と言えます。

 

その中で、競合企業との「差別化」(わが社独自)の「戦略」を打ち出し市場を捉えていくことが、中期的な成長の要です。

 

「経営者」と「戦略」が本テーマの鍵ですね。

 

「戦略」のポイント 引用:中小企業白書概要版P25,2023

① 競合他社と異なる価値創出のあり方を反映した戦略の構想・実行を通じて、差別化を図ることは、競合他社が少ない市場への参入や創出により、企業の成長につながる。
② こうした戦略の構想・実行を進めるためには、特徴ある顧客・ニーズ等の設定や価値創出を継続し、試行錯誤などに取り組んでいくことが重要。

 

まさに、、というか非常に教科書的な内容ですね。感覚としては、上記の概念はそりゃそうだよねとなると思いますが、そこからのHowtoがよくわからないし、外部の支援者を雇うにしても資金力がないという右にも左にも行けず、立ち往生という企業が多いのでは無いでしょうか。ですが、専門家派遣や戦略を立てるための国や都道府県単位での補助金も増えており、本気の企業とそうでない企業はこの数年で二分されていきます。コロナ関連補助金もフタを明けてみると企業としての体力や価値向上につなげることができたのは一握り。様々な融資の返済が始まっていく中で、結果が出てくると思われます。

 

結局どうやってやるのだ!!?

じゃあ、どうやって戦略を立てていけば良いの?その取っ掛かりは?具体的にどういうこと?に私のブログが少しでもお役立ちできれば良いなと思います。

 

まず、取り組んでいただきたいのが、外部環境の分析です。

内部環境からの方がわかりやすいですし、取り組みやすいのではと思うかもしれませんが、内部環境の分析から始めてしまうと、今の延長線上からでしか会社のことを分析できず、非常に浅い気づきしか得られないです。外部環境(PEST)をまず分析していく中で、自社はどうなっているのかと内部と外部を行ったり来たりするフローが効果的です。

 

外部環境分析①(PEST分析)

マクロ的視点とも呼ばれる分析です。下記4つの分野について自社を取り巻く環境について考えてみましょう

P(Politics)    :規制緩和や近年の各種法律の改正

E(Economics) :経済成長率、個人の貯蓄率、物価など

S(Society)    :働き方の意識変化やジェンダー意識、ライフスタイルの変化など

T(Technology)イノベーション、新技術について

 

4つの分析が終わりましたら、プラスしてD+Eについても考えてみましょう。

D(Demographic):人口規模、年齢構成、所得など

E(Environment)  :SDGsなどで表面化している地球規模の自然課題など

 

自社のビジネスにおいて、広い視点で各分野の影響(機会、脅威)を洗い出しておくことで、自社のストロングポイント(=差別化)をより明確にしていくことができます。

 

外部環境分析②(収益性に影響を与える5つの要因分析)

より自社に近い距離感のあるミクロ的な視点に立った分析です。

主な分析対象としては、「顧客」「競合」「供給業者」ががあります。マクロの変化に合わせて他の企業がどんな変化をしているのかを分析する視点は、「企業競争」において抑えておきたい分析です。

 

①競合企業の分析(業界内の競争)

②新規参入の脅威(業界内だけでない競争)

③売り手の交渉力(供給企業)

④買い手の交渉力(顧客)

⑤代替品の脅威(新技術/別の製品カテゴリーなど)

 

こちらのミクロの視点や、内部環境の分析については、また別の記事で書いていきます!